皆さんこんにちは!伊賀名張ドローンスクールです!今回は、国土交通省が公開している「無人航空機の飛行に関する教則」が第4版から第5版へ改訂されましたので、どこがどう変わったのかを初心者の方にも分かりやすくまとめてご紹介します。特に今回の改訂には、知らずに飛ばすと罰則を受けてしまう可能性がある重大な変更が含まれています。これからドローンを始める方はもちろん、すでに免許をお持ちの方にも関係する内容です。伊賀名張ドローンスクールは交通教育機関である「なばり自動車学校」が運営するドローンスクールです。教育機関としてのノウハウを活かし、最新情報をご提供します。ぜひ最後までご確認ください!
そもそも「ドローン教則」とは?
「無人航空機の飛行に関する教則」とは、国土交通省が公開しているドローンを飛ばすうえでの公式テキストのことです。車でいうところの「教習所の教本」にあたるもので、法律のルールや安全な飛ばし方がまとめられています。
国家資格である無人航空機操縦者技能証明(いわゆるドローン免許)の学科試験は、この教則の内容から出題されます。つまり、教則が改訂されるということは、試験に出る内容も、現場で守るべきルールも変わるということです。
教則は法律そのものではありませんが、法改正の内容が反映される「公式のまとめ」です。改訂されたら必ず最新版を確認する習慣をつけましょう。
【最重要】小型無人機等飛行禁止法が大きく変わりました
今回の改訂で最も影響が大きいのがこの項目です。国会議事堂や自衛隊施設、原子力事業所などの「重要施設」の周りでドローンを飛ばせない、というルールを定めた法律が「小型無人機等飛行禁止法」です。
飛行禁止エリアが300m→1000mに拡大
重要施設の敷地そのものの上空を「レッド・ゾーン」、その周辺エリアを「イエロー・ゾーン」と呼びます。このイエロー・ゾーンの範囲が、次のように変わりました。
- 第4版まで:重要施設の周囲おおむね300m
- 第5版から:重要施設の周囲おおむね1000m
半径が3倍以上になったということは、面積でいえばおよそ11倍に広がったことになります。「以前は飛ばせた場所」が、今は飛行禁止になっているケースが十分にあり得ますので注意してください。
イエロー・ゾーンにも罰則が新設されました
これまではイエロー・ゾーンを飛ばしても、直ちに罰則が科されるものではありませんでした。しかし第5版では、イエロー・ゾーンでの飛行そのものに罰則が新設されています。
- レッド・ゾーン(敷地・区域の上空)での飛行、警察官等の命令違反:1年以下の拘禁刑 又は 50万円以下の罰金
- イエロー・ゾーン(周囲おおむね1000m)での飛行:6月以下の拘禁刑 又は 50万円以下の罰金(新設)
なお、レッド・ゾーンの罰則が「懲役」から「拘禁刑」という表記に変わっていますが、これは刑法改正により懲役と禁錮が一本化されたことに伴う変更です。
「範囲が3倍以上に拡大」+「罰則が新設」というダブルの変更です。飛行前には必ず警察庁ホームページで対象施設を確認し、例外にあたる場合でも都道府県公安委員会等への通報を忘れないようにしましょう。
対象となる重要施設も追加されました
飛行禁止の対象施設にも、次の項目が追加されています。
- 天皇又は内閣総理大臣の所在する施設であって、国内要人が出席する行事会場等
- 外国公館、国際機関の事務所等
- 外国要人が参加する国際会議の準備又は運営のために使用される会議場施設等
ポイントは、「行事会場」や「国際会議の会場」は一時的に指定されるという点です。昨日まで問題なく飛ばせた公園やホールが、イベント当日だけ飛行禁止になることもあります。最新情報は警察庁ホームページで必ず確認しましょう。
この法律は、航空法の「無人航空機」と違って重さに関係なく適用されます。100g未満のトイドローンでも対象です。また、航空法の飛行許可・承認や機体認証・技能証明を持っていても、この法律の飛行禁止は解除されません。
技能証明(ドローン免許)の更新期間が変更に
国家資格である技能証明の有効期間は3年間で、更新には「登録更新講習機関」の更新講習を受ける必要があります。この更新を申請できる期間が変わりました。
- 第4版まで:有効期間が満了する日以前6月以内に申請
- 第5版から:有効期間が満了する日の6月前から1月前までの間に申請
これまでは「満了日の直前でも間に合った」のですが、第5版では満了日の1ヶ月前が締め切りとして明確化されました。ギリギリの申請ができなくなったということです。
更新講習自体は「更新を申請する日以前3月以内」に修了しておく必要があります。つまり「講習を受ける→1ヶ月前までに申請」という逆算が必要です。有効期間が切れると特定飛行ができなくなりますので、早めのスケジュール管理を!
その他の変更点
1. 保険:25kg以上の機体も第三者賠償責任保険が必須に
ドローンの保険に自賠責のような強制保険はなく、すべて任意保険です。ただしカテゴリーⅡ飛行の一部については、十分な補償が可能な第三者賠償責任保険への加入が求められています。第5版では、その対象が次のように広がりました。
- 第4版まで:レベル3.5飛行の場合
- 第5版から:レベル3.5飛行の場合 + 総重量25kg以上の無人航空機を飛行させる場合
2. 人口集中地区(DID):工業専用地域が除外に
人口集中地区(DID)の上空は原則として飛行禁止ですが、第5版では「工業専用地域内の区域の上空を除く」という記載が明記されました。
都市計画法上の「工業専用地域」であれば、DIDの中であってもDIDに関する許可手続きは不要になります。工場地帯などでの点検飛行がしやすくなる、という緩和方向の変更です。ただし夜間飛行や目視外飛行など、他のルールは別途必要ですのでご注意を。
3. 捜索・救助の特例:具体例が追記
国や地方公共団体(またはその依頼を受けた者)が捜索・救助のために飛ばす場合、飛行の空域・方法の規制が適用されない特例があります。第5版では、この特例が適用される具体例として「震災発生に伴う仮設住宅建設予定調査のための飛行」「獣害を未然に防ぐための飛行」が国土交通省ホームページに参考資料として示されている旨が追記されました。
なお、災害時の対応であっても、国や地方公共団体に関わらない独自の活動は特例の対象外です。この点は第4版から変わっていません。
4. 農薬散布等の例外について
ドローンによる農薬空中散布について、兼ねてから農林水産省と国土交通省で意見交換がされていましたが、条件付き緩和措置が教則に記載されました。
これは、農薬散布が特定飛行にあたってしまうので、許可承認を取る必要がある。しかし、飛行高度などを考慮すると他の無人航空機に比べエアリスクが非常に低いという背景から設けられた例外です。一定の要件をすべて満たせば、これらの許可承認手続きが不要になります。
農薬散布で承認不要となる主な要件
「要件」の中身は、国土交通省の通達(令和8年3月23日制定・国空無機第338898号)で細かく定められています。ポイントを5つに整理すると、次のとおりです。
飛ばせるのは、自分や関係者が所有・管理している農地や森林の中だけです。高さは、地面や作物の先端から4mまで。お祭りなど人が集まる催しの上空では飛ばせません。
機体認証(第一種または第二種)を受けた機体が必要です。夜に飛ばすなら向きが分かるライト、物を落とすなら誤って落ちない仕組みなど、飛ばし方に合った装備も求められます。夜間・目視外・30m未満で飛ばす場合は、25kg未満の機体に限られます。
一等または二等の国家資格が必須です。夜に飛ばすなら「昼間限定」、目視外で飛ばすなら「目視内限定」の解除も必要になります。さらに、最大離陸重量が25kgを超える大型機は、最大離陸重量25kg未満の限定変更をしておくことが求められます。
飛べる範囲を制限する機能(ジオフェンス)と、異常時に自動で戻る・降りるなどの機能(フェールセーフ)を使って飛ばします。夜間・目視外の場合は自動操縦で飛ばします。まけるのは登録された農薬と肥料だけです。あわせて、航空局が用意している標準マニュアルを使い、その内容を守ります。
飛ぶルートの下に他人の物がないことを確認し、補助者を置くか、看板やコーンで人が入らないようにします。他人の上は飛ばさない、雨や強風のときは飛ばさない・すぐ中止する、といったルールも定められています。
これらの要件は「どれか1つでも欠けると例外が使えない(=承認が必要になる)」という関係にあります。特に「機体認証」は現時点ではあまり普及していません。当校はDJI農業ドローンスクールも運営していますが、この例外を使用できるケースは少ないでしょう。
なお、この例外を使っても人口集中地区(DID)の上空を飛ばす場合は、上記に加えて別途の要件を満たす必要があります。また、夜間飛行・目視外飛行・30m以内の飛行・危険物輸送・物件投下は「特定飛行」に該当するため、承認が不要でも飛行計画の通報と飛行日誌の記載は必要です。この点は間違えやすいので注意してください。
まとめ
今回の教則第5版の変更点を、もう一度おさらいしましょう。
- 重要施設の周辺(イエロー・ゾーン)が300m→1000mに拡大
- イエロー・ゾーンでの飛行に6月以下の拘禁刑等の罰則が新設
- 飛行禁止の対象となる重要施設に、国内要人の行事会場や外国公館等が追加
- 技能証明の更新申請は「満了日の6月前~1月前まで」に変更
- 総重量25kg以上の機体も第三者賠償責任保険の加入が求められる対象に
- DIDのうち工業専用地域の上空は許可手続き不要に
- 捜索・救助の特例に具体例が追記、農薬散布にも許可承認が不要となる例外追加
特に小型無人機等飛行禁止法の変更は、「知らなかった」では済まされない罰則付きの内容です。これから学科試験を受ける方は最新の第5版で勉強を、すでに飛ばしている方はご自身のフライトエリアが新しい1000mの範囲に入っていないか、あらためて確認してみてください。
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